生活習慣病・糖尿病

生活習慣病

生活習慣病生活習慣病とは、大きく「食事」「運動」「飲酒・喫煙」「睡眠」「ストレス」の5つの生活習慣の乱れが発症に大きく関わっている慢性疾患の総称です。
主な生活習慣病に糖尿病、高血圧症、脂質異常症(高脂血症)があります。

生活習慣病の改善・予防のためには、これまで長年続けてこられた生活習慣を見直すことが大事です。
必要に応じてお薬を処方する場合もありますが、治療の基本は“生活習慣の改善”と考えて、しっかり取り組むようにしましょう。

生活習慣病の原因には食習慣の悪化により引き起こされる場合があります

食べ過ぎ、栄養バランスの乱れ、不規則な食事時間、頻繁な間食などの食生活の乱れは肥満の原因となり、様々な病気を引き起こすリスクを高めます。

  • 肥満症
  • 脂質異常症
  • 糖尿病
  • 循環器疾患
  • 大腸がん
  • 歯周病など

食習慣の悪化はこのような生活習慣病の原因となりますので、心あたりがある方は当院へご相談ください。

生活習慣病の原因には運動習慣の悪化により引き起こされる場合があります

運動不足で消費エネルギーが少なくなると、メタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満)となって次のような生活習慣病の原因となります。

  • 肥満症
  • 脂質異常症
  • 糖尿病
  • 循環器疾患など

バランスの良い食事を心がけるとともに、無理のない範囲の運動を毎日コツコツ続けて、肥満解消・病気予防を心がけるようにしましょう。
当院では生活習慣病予防のための運動もサポートいたします。

その他にもストレス、休養、飲酒や喫煙により引き起こされる場合もあります

ストレスによる生活習慣の乱れ

ストレスによる生活習慣の乱れ

お仕事や家庭のストレスが溜まっていると、それを解消しようと過食や過度な飲酒に繋がり、生活習慣の乱れとなって生活習慣病に繋がる恐れがあります。
またストレスが溜まっているとぐっすり眠れなくなり、それでさらにストレスが溜まり、睡眠が妨げられるというように悪循環に陥る恐れがあります。

飲酒・喫煙による生活習慣病

飲酒・喫煙による生活習慣病

過度な飲酒は肝疾患の原因となり、脂肪肝や肝炎、肝硬変のリスクを高めます。
そして喫煙は肺疾患や循環器疾患のリスクを高める要因で、長年煙草を吸い続けていると慢性閉塞性肺疾患(COPD)という疾患を招くことがよく知られています。

良い連鎖反応で生活習慣病の改善がスムーズに

長年続けてきた生活習慣を変えることは、1日ではできません。
また長年の生活習慣の乱れの積み重ねで起こるのが“生活習慣病”なので、それを治療するにも時間がかかるという風に考えるべきでしょう。

このように時間がかかる生活習慣病の治療では、「一度に全部の生活習慣を改善しよう」とするのは禁物で、最初にお伝えした5つの生活習慣(食事、運動、飲酒・喫煙、睡眠、ストレス)のうち、どれか1つにフォーカスを絞って改善に取り組むのがおすすめです。
いずれか1つの生活習慣が改善されると、それが自信とモチベーション向上に繋がり、他の生活習慣の改善がスムーズに行くようになるものです。
具体的には、食事が改善されれば肥満が解消され、運動しやすくなり、運動することで夜ぐっすり眠れるようになり、ストレスも溜まりにくくなるというものです。

このように生活習慣の改善の“良い連鎖反応”を生み出し、糖尿病、高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病を改善・予防していくようにしましょう。

当院では、総合内科専門医である院長が、皆様のかかりつけ医として生活習慣の改善をサポート・アドバイスさせていただきます。
「健康診断で異常を指摘された」「血圧が高い」「太ってきたので、病気が心配」という場合には、お気軽に当院へご相談ください。

糖尿病

糖尿病糖尿病とは、自己免疫疾患や遺伝的要因・生活習慣の乱れなどにより、インスリンというホルモンの分泌量が不足したり、まったく分泌されなくなったり、作用が低下したりすることで、血液中の糖分(血糖)が慢性的に異常な値を示すようになる病気です。
自己免疫疾患などが原因で起こる“1型糖尿病”と、遺伝的要因に食事・運動などの生活習慣の乱れが加わることで起こる“2型糖尿病”があり、日本人の糖尿病患者のほとんどが2型糖尿病となります。

糖尿病で注意しなければいけないのが合併症で、高血糖状態が続くと動脈硬化が進行して、糖尿病性神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病性腎症などを引き起こします。
これらは糖尿病の3大合併症と言われています。

糖尿病の診断基準

  1. 空腹時血糖値が126mg/dl以上
  2. 75g経口ブドウ糖負荷試験2時間後の血糖値が200mg/dl以上
  3. 随時血糖値が200 mg/dl以上
  4. HbA1cが6.5%以上

        上記の項目について以下のような流れで検査を行い、診断します。

        初回検査 ①~③のうちのいずれかに加え④に該当 「糖尿病」と診断
        ①~③のうちのいずれかに加え「典型的な糖尿病の症状」または「糖尿病網膜症」が認められる 「糖尿病」と診断
        ①~③のうちいずれかに該当 再検査
        ④のみに該当 再検査
        再検査 ①~③のうちのいずれかに該当 「糖尿病」と診断
        ①~③のうちのいずれかに加え④に該当 「糖尿病」と診断
        ④のみに該当 糖尿病疑い
        (3~6ヵ月以内に再検査)
        いずれにも該当しない 糖尿病疑い
        (3~6ヵ月以内に再検査)

        治療

        食事療法・運動療法といった生活習慣の改善を行い、必要に応じて薬物療法を組み合わせます。

        生活習慣の改善

        患者様の日頃の活動の状況に応じた適正エネルギー量を把握し、医師・管理栄養士による食事療法を行います。
        また、インスリン抵抗性を改善するための運動療法も重要です。患者様の年齢やお身体の状態、過去の運動経験などを考慮し、適切な運動メニューをご提案します。
        喫煙は、インスリン抵抗性を高め、血糖値を悪化させる原因となります。喫煙している方は、必ず禁煙しましょう。当院では、禁煙外来を開設しています。

        薬物療法

        生活習慣の改善だけでは十分に効果が得られない場合、薬物療法を組み合わせます。
        血糖値を下げる薬の内服、GLP-1受容体作動薬の注射などがあります。また、インスリンの自己注射が必要になる場合もあります。

        高血圧

        高血圧血圧とは動脈の内壁に加わる力のことで、これが異常な値を占めるのが高血圧です。
        繰り返し血圧測定を行った結果、収縮期血圧(最高血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(最低血圧)が90mmHg以上の場合、高血圧と診断されます。
        なお、この基準は診察室で血圧測定を行った場合のもので、ご家庭で測定した場合には収縮期血圧(最高血圧)・拡張期血圧(最低血圧)それぞれマイナス5mmHg以上(135/85mmHg以上)で高血圧と診断されます。

        高血圧状態が続くと血管がダメージを受け続けることになるため、血管の内壁が厚く・硬くなって動脈硬化となり、心筋梗塞や大動脈瘤、脳梗塞を引き起こす場合があります。

        高血圧の診断基準

        血圧には、医療機関で測る「診察室血圧」、ご自宅でご自身で測る「家庭血圧」、特殊な機械で24時間をかけて測る「24時間血圧」があります。
        一般に、診断ではこのうちの「診察室血圧」と「家庭血圧」を用います。

        診察室血圧
        • 収縮期血圧140mmHg以上
        • 拡張期血圧90mmHg以上

        上記のいずれかにでも該当すると「高血圧」と診断
        ※1日だけでなく、数回の測定が必要です。

        家庭血圧
        • 収縮期血圧135 mmHg以上
        • 拡張期血圧85 mmHg以上

        上記のいずれかにでも該当すると「高血圧」と診断
        ※5~7日の平均値をとります。

        ※ガイドラインの改定に伴い、収縮期血圧120~129mmHgの方は3~6ヶ月ごと、130~139mmHgの方は1~3ヶ月ごと、140mmHg以上の方は1ヶ月ごとの受診が推奨されています。収縮期血圧が120mmHg以上の方は、当院までご相談ください。

        治療

        食事療法・運動療法といった生活習慣の改善を行い、必要に応じて薬物療法を組み合わせます。

        生活習慣の改善

        食事療法で特に気をつけるべきなのが、塩分摂取量です。近年は外食の頻度の増加、インスタントラーメンなどのレトルト食品の増加などによって、塩分摂取量が増えていています。1日あたり7gを目標値とします。また、飲み過ぎも控えてください。
        運動療法には、血圧を下げる効果があります。ウォーキング、軽いジョギング、水泳などが推奨されています。ただ、運動をしてこなかった期間が長い方は、急に激しい運動をすると血圧の上昇やケガなどを招くおそれがありますので、医師と相談しながら運動量・頻度を決めていきましょう。
        また動脈硬化の進行を抑えるため、禁煙しましょう。当院では、禁煙外来を開設しております。

        薬物療法

        高血圧の薬物療法で使用される降圧剤には、さまざまな種類があります。高血圧のタイプや全身状態、その他の疾患の有無などを考慮して、適切な降圧剤を選択いたします。
        十分に血圧をコントロールするためには、複数の薬を組み合わせたり、配合薬を使用することもあります。
        配合薬には、内服の負担が軽くなる、薬の管理がしやすくなるといったメリットがあります。

         

        脂質異常症

        脂質異常症血液中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)や中性脂肪(トリグリセライド)が過剰だったり、反対に善玉コレステロール(HDLコレステロール)が少なかったりする状態を脂質異常症と言います。放置していると、糖尿病や高血圧と同様に、動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中のリスクを上昇させます。

        脂質異常症の診断基準(空腹時採血)

        • LDLコレステロール140mg/dL以上
        • 中性脂肪150mg/dL以上

        上記のいずれかにでも該当する場合、「脂質異常症」と診断します。
        ※ただし、LDLコレステロールにおいては、140mg/dL未満であっても120~139mg/dLに該当する場合には「境界域」と診断され、糖尿病や高血圧と組み合わさることで冠動脈疾患のリスクが高くなります。こういったリスクを考慮し、治療の必要性が判断されます。

        治療

        生活習慣の改善

        コレステロールや中性脂肪を低下させるため、まずは食生活を改善します。LDLコレステロールが高い場合には、外食・コンビニ食・揚げ物・卵・乳製品などの食べ過ぎが考えられますので、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。最近では、ダイエット等を目的として糖質制限を行い、タンパク質ばかり摂っている方もおられますが、そういった方は脂質が高くなっていく傾向があります。根菜類、青物の野菜、魚、豆類などを意識して食事に取り入れましょう。
        並行して、運動療法を進めていきます。ウォーキング、軽いジョギング、水泳などがおすすめです。長く運動から離れていた方は、医師と相談して運動量・頻度を調整しましょう。

        薬物療法

        LDLコレステロールのみが高い場合には、LDLコレステロールを下げる作用のある薬が第一選択となります。これに加えて、コレステロールを吸収阻害薬、胆汁からの排出を促す薬などを併用することもあります。
        中性脂肪のみが高い場合やLDLコレステロールと中性脂肪の両方が高い場合など、患者様の状態に合わせて、お薬を処方します。

        メタボリックシンドローム

        メタボリックシンドロームメタボリックシンドローム(メタボ)とは“内臓脂肪型肥満”のことで、ただ太っている状態を言うのではなく、内臓に脂肪が蓄積されているのに加えて、血糖・血圧・脂質値で2つ以上、異常な値がみられる場合にメタボと診断されます。

        よく「メタボ」って聞くけど基準ってあるの?

        メタボリックシンドロームは次の基準のもと、診断されます。

        ①腹囲

        男性:85cm以上
        女性:90cm以上

        ①に加えて、次の3つの基準に2つ以上あてはまる場合、メタボリックシンドロームと診断されます。

        • 高血糖
          空腹時血糖が110mg/㎗以上、またはHbA1cが5.5%以上
        • 高血圧
          収縮期血圧(最高血圧)が130mmHg以上、または拡張期血圧(最低血圧)が85mmHg以上
        • 脂質異常
          中性脂肪(トリグリセライド)が150mg/㎗以上、またはHDLコレステロール(善玉コレステロール)が40mg/㎗未満

        治療

        メタボリックシンドロームの原因である、食べ過ぎや運動不足などの生活習慣を見直して、肥満を解消することが治療の中心となります。
        メタボリックシンドロームになると他の生活習慣病を併発しやすくなるので、しっかり生活習慣の改善に取り組んで糖尿病、高血圧、脂質異常症などを予防するようにしましょう。

        痛風(高尿酸血症)

        痛風(高尿酸血症)血液中の尿酸が7.0mg/dlが超えた状態を高尿酸血症と言います。
        高尿酸血症には症状はありませんが、血液中に尿酸が多い状態が続くと、尿酸が関節に付着してそこで結晶化し、激しい痛みを引き起こすようになります。
        その痛みが痛風です。
        高尿酸血症の痛風発作は足の親指の付け根を中心に、全身の様々な関節で起こります。

        治療

        痛風発作や尿路結石などの合併症を抑えるために、血液中の尿酸を下げるお薬を使用します。 また、ビールなどのプリン体を多く含むアルコールを控える、魚卵などプリン体を多く含む食品を控えるなど、食生活の見直しも欠かせません。
        そのほか、水分をたくさん摂って、尿酸の体外への排出を促すことなども重要となります。

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