予防接種とは
細菌・ウイルスに感染することで発症する感染症を予防するのが、予防接種の大切な役割です。
また、感染症の予防だけでなく、万が一感染してしまった場合でも、重症化を防ぐという目的もあります。
当院では、各種予防接種を行っておりますので、ご希望の方は事前に当院へご連絡ください。
大人の予防接種
インフルエンザワクチン
インフルエンザは毎年流行するタイプが異なるため、流行期に入る前に毎年受けることが重要です。
インフルエンザワクチンによって体内で作られる抗体は、注射を打ってから
2週間後から立ち上がり、
1ヶ月後にピークとなり、
3-5か月後から下がって来ます。
11月中に打っておけば、流行が立ち上がってくる12月中旬には間に合い、かつ流行が終息する4月初めまでの間効果が持続します。
忙しくて11月中に予防接種に来れなかったという方でも12月中旬までに接種できれば、ピーク時には抗体が出来るので、接種する意味があります。
高齢者肺炎球菌ワクチン
高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンで、2014年より定期接種に組み込まれています。 肺炎球菌による肺炎になりやすい高齢者、心、呼吸疾患や糖尿病、腎不全の方に接種をお勧めします。
成人の肺炎球菌ワクチンには23価(商品名:ニューモバックス)と13価(商品名:プレベナー13)の2種類があり、
それぞれ長所・短所があります。
ニューモバックスのみが、65歳以上の高齢者を対象とした定期接種となっており、その年度に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になる方が対象となります(2024年4月からは65歳のみが公費の対象に変更となりました)。
プレベナーは、効果は強いですが守備範囲が狭く、一方のニューモバックスは効果は強烈ではないですが守備範囲が広いワクチンです。
ワクチンは、細菌やウイルスに疑似感染して人工的に免疫を作り上げるのですが、もう一度似たようなワクチンを接種して再度疑似感染させると免疫がより強化されると言われています。
これをブースター効果(追加免疫効果)と呼んでいます。
プレベナーは免疫記憶が誘導されるので一生に一度接種すればよく長期間予防効果とブースター効果があるため、当院では併用をお勧めしています。
プレベナーとニューモバックスの両方を接種したい場合、以下のパターンが推奨です。
先にプレベナーを接種する場合
半年以降4年以内にニューモバックスを接種プレベナー接種後、半年から4年以内にニューモバックスを接種するとブースター効果が生まれると言われています。
すでにニューモバックスを接種している場合
65歳以上の高齢者の方や、あるいは65歳以下ですでにニューモバックスを接種している方で、「プレベナーも接種したい」という方は以下を参考に接種日を選択してください。
65歳以上の方
前回のニューモバックス接種日から半年後以降で次回ニューモバックス定期接種日の7か月前まで
65歳以下の方
前回ニューモバックスを接種した日から半年以降ならいつでも接種可
帯状疱疹ワクチン
帯状疱疹とは
帯状疱疹とは、水ぶくれを伴う赤い発疹(皮膚のぽつぽつ)が、体の左右どちらかにだけ帯状に現れることが特徴の皮膚疾患です。日本人成人の90%以上が帯状疱疹になる可能性があり、80歳までに3人に1人が発症すると言われています。特に50歳代から発症しやすくなります。
帯状疱疹後神経痛とは
帯状疱疹にかかった後、皮膚の症状や痛みは普通そのうちに治りますが、皮膚の症状が消えた後にも痛みが残る場合があります。これを帯状疱疹後神経痛といいます。
帯状疱疹ワクチンについて
高松ささき内科ハートクリニックでは、帯状疱疹に適用のある2種類のワクチンを取り扱っています。
『乾燥弱毒性水痘ワクチン』は、1987年に水痘(水ぼうそう)ワクチンとして認可され、2016年に帯状疱疹にも適用が拡大されました。
『シングリックス』は2020年1月に帯状疱疹専用の予防接種として認可されたもので予防成績の優れたワクチンです。
それぞれに長所、短所がありますので、比較表を参考にご検討ください。
なお、ご予約はお電話 (087-851-6688) で承ります。
水痘ワクチンと帯状疱疹ワクチンの比較表
乾燥弱毒生水痘ワクチン | シングリックス | ||
帯状疱疹発生抑制効果 | 51.3% | 50歳以上 97.2% 70歳以上 89.8% |
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帯状疱疹後神経痛抑制効果 | 66.5% | 50歳以上 100 % 70歳以上 85.5% |
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接種方法/回数 | 皮下注射 1回 | 筋肉注射 2回 | |
接種間隔 | – | 1回目の接種から2~6か月後 までに2回目を接種 |
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適用年齢 | 50歳以上 | 50歳以上 | |
費用 | 8,000円 (税込) | 2回で46,000円 (税込) 1回分は23,000円 |
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副反応 | ・接種部位の痛み ・腫脹 ・発赤 |
・接種部位の痛み ・腫脹 ・発赤 ・筋肉痛頭痛 ・倦怠感 ※水痘ワクチンよりも副反応が強く出る可能性あり。 |
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長所・短所 | 【長所】 ・費用が安い ・接種回数が1回 【短所】 ・予防効果が落ちる ・免疫低下している方には接種できない |
【長所】 ・予防効果が高い ・免疫低下している方にも接種できる 【短所】 ・費用が高い ・接種回数が2回 ・副反応が比較的強い |
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予診票 | 乾燥弱毒生水痘ワクチン予診票 はこちらをクリック |
シングリックス予診票 はこちらをクリック |
Q&A
体調が悪い場合は、予防接種は避けた方が良いでしょうか?
基本的に体調が悪い場合には予防接種は避けるのが良いと言えます。 予防接種が延期となった場合には、別日に調整させていただきます。
予防接種を受けた後、どんなことに注意すればいいですか?
予防接種後のアレルギー反応は接種後30分以内に起こることが多いため、30分程度は何か異変が起こっていないか注意して様子を見るようにしてください。
予防接種を受けた日は運動・入浴できますか?
発熱などの副反応がないのなら、入浴は可能です。 ただし、接種した部位を強く擦らないようにしてください。 また激しい運動はお控えください。